【元小学校教師が語る】時給換算で数百円!?土日の部活という名の「ほぼボランティア」の現実

小学校の先生暮らし
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1. 先生の土日はお休み…じゃない!?新米教師を襲った「休日出勤」の罠

こんにちは!元小学校教師の、「りりいのママ」です。

金曜日の夕方。街を歩いていると、「やったー!明日から休みだ!」「週末はどこに行こうか?」というウキウキした話し声が聞こえてきますよね。一般的なお仕事をされている方にとって、土日は心身を休め、プライベートを満喫するための大切な時間だと思います。

私も教員になる前は、「先生って公務員だし、平日は忙しくても土日はしっかりカレンダー通りに休めるんでしょ?」と、のんきに構えていました。友人たちからも「夏休みもあっていいよね〜」なんてよく言われていたものです。

でも、教員の世界に足を踏み入れた途端、その甘い幻想はもろくも崩れ去りました。先生たちの土日を容赦なく奪っていく巨大な存在……そう、「クラブ活動(部活動)」の顧問です。

学校によりますが、バスケットボールやサッカー、ソフトボールといった定番のスポーツから、吹奏楽や合唱などの文化系、さらには天文学クラブのような少し珍しいものまで、学校には様々な活動があります。そして、それらを指導するのは、外部のプロコーチではなく、私たち「普通の学校の先生」なんです。

新米教師として赴任し、右も左もわからないまま「〇〇部の顧問、よろしくね!」と笑顔で任命された瞬間。それは、私の平穏な土日が消滅した瞬間でもありました。

平日は朝早くから夜遅くまで授業の準備や事務作業に追われ、クタクタになって迎えた土曜日の朝。ゆっくり寝ていたい体を無理やり起こし、まだ薄暗い朝6時に目覚ましを止める。ジャージに着替えて、お弁当を作って、学校へ向かう……。

体育館に響き渡るバスケットボールのダムダムという音、炎天下のグラウンドでソフトボールのノックを打つ土埃、夜間の天体観測のための居残り。競技や活動内容は違えど、休日の学校には、平日と同じようにジャージ姿で汗を流す先生たちの姿があります。

「あれ?私、いつ休めばいいんだろう……?」

これが、多くの新米教師が最初にぶち当たる、ブラックすぎる「休日出勤」のリアルな始まりなのです。

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2. 時給換算して大ショック!1日中指導しても手当は「午前2千円」の現実

「でも、休日に出勤しているなら、その分しっかり休日出勤手当や残業代が出るんでしょ?」

そう思われた方も多いかもしれません。一般企業であれば、休日出勤には割増賃金が支払われるのが法律上のルールですよね。しかし、公立学校の教員には「給特法」という特殊な法律があり、私たちが想像するような「残業代」は出ません。

代わりに、休日の部活指導には「特殊業務手当(いわゆる部活手当)」というものが支給されます。これ、一体いくらくらいだと思いますか?

自治体によって金額に多少のばらつきはあるのですが、私が同僚の先生たちから聞いていたリアルな額は、なんと「午前中(半日)で2千円、午後まで1日やってもプラス2千円」というものでした。

これ、冷静に計算してみてください。 朝の8時からお昼の13時まで、みっちり5時間、体育館やグラウンドで声を張り上げて指導したとします。それで「2千円」です。時給に換算すると、たったの400円。

もし1日中、朝から夕方まで8時間以上指導したとしても、もらえるのはたったの数千円です。コンビニでアルバイトをしている高校生の方が、よっぽど高い時給をもらっていますよね。

給料日に明細を見て、この「部活手当」の欄のあまりにも少ない数字を目にした時の、あの何とも言えない脱力感。

「えっ、私の週末の価値って、これだけ……?」 「時給換算したら、ファミレスのランチセットも食べられないじゃん……」

お金のために先生になったわけではありません。でも、プロのスポーツ指導者でもない教員が、休日を丸ごと潰して、自分のプライベートな時間を削って、へとへとになるまで働いているのに、その対価がこれだけ。あまりの理不尽さに、職員室で給与明細を握りしめながら、ため息をついている先生は数え切れないほどいました。

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3. もはや修行!?自腹だらけの「合宿」と、重すぎる責任のプレッシャー

さらに、この部活の過酷さがピークに達するのが「練習試合」や「合宿」です。

通常の土日練習でも大変なのに、外部の体育館への遠征や、夏休みの宿泊を伴う合宿となると、先生の負担は爆発的に跳ね上がります。しかも恐ろしいことに、24時間体制で子どもたちの命を預かる合宿であっても、もらえる日当は普段の休日と大して変わらないケースがほとんどなんです。

そして、手当が少ないどころか、実は「自腹」で飛んでいくお金の方が多いことすらあります。

例えば、指導に使うホイッスル(笛)やストップウォッチ、作戦ボード。これらも学校の備品が足りなければ、先生がスポーツ用品店で自費で買っています。さらに遠征に行くとなれば、自分の交通費や移動中の飲み物代、お弁当代も当然自腹です。

さらに想定外なのが「子どもたちのハプニング」です。 遠征先で「先生、お弁当忘れちゃった……」「電車賃を落としました……」と半泣きになる子どもたち。そんな時、「じゃあ諦めなさい」なんて言えるわけがありませんよね。「ほら、これでパンでも買ってきなさい」「切符代、貸しておくからね」と、結局は先生が自分の財布からそっとお金を出してフォローしているんです。もちろん、返ってこないこともしばしば。

でも、お金の問題以上に先生たちを苦しめているのが「重すぎる責任のプレッシャー」です

スポーツにケガはつきものです。バスケットボールで足を捻挫した、ソフトボールのボールが顔に当たった……。そんな事故が起きた時、現場の責任はすべて顧問の先生にのしかかります。

すぐにアイシングをして、救急車を呼び、親御さんに震える手で電話をかける。「お預かりしていたのに、申し訳ありませんでした」と頭を下げる。合宿の夜は、ホームシックで泣き出す子の対応をし、アレルギーのある子の食事に細心の注意を払い、夜中に体調を崩す子がいないか何度も見回りをする。

睡眠時間も削られ、常に神経を張り詰め、何かあれば全責任を負わされる。それなのに、手当はスズメの涙。もはやこれは仕事というより、「過酷な修行」と呼んだ方が正しいのかもしれません。

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4. 割に合わなすぎる。それでも先生たちが休日にグラウンドに立つ理由

「そんなにブラックで、お金にもならないなら、どうして先生たちは部活の顧問なんてやってるの?辞めればいいじゃない」

きっと、この記事をここまで読んでくださった多くの方が、そう思うはずです。時給数百円で、自腹を切って、重い責任だけを負わされる。冷静に考えれば、誰だってやりたくないはずです。

でも、それでも週末になると、先生たちは朝早くから起きてジャージに着替え、グラウンドや体育館に向かうんです。

その理由は、本当にシンプル。 ただただ、「子どものため」なんです。

平日には見せないような、真剣な眼差しでボールを追う姿。 ずっと練習してきたシュートが、試合で初めて決まった瞬間の、弾けるような笑顔。 負けてしまって、チーム全員でボロボロと流す悔し涙。

そんな、子どもたちの心が大きく成長する瞬間に立ち会える喜びは、何にも代えがたいものがあります。「先生、勝てたよ!」「先生が教えてくれたおかげだよ!」と満面の笑みで駆け寄ってこられたら、それまでの疲れや、理不尽な手当への不満なんて、本当に一瞬で吹き飛んでしまうんです。

そして、教員をやっていて「ああ、休日を潰してまで頑張ってきてよかった」と心から思える最高の瞬間。それは、3月の『卒業式』です。

週末の部活で、泥だらけになって泣きべそをかいていたあの子たちが。何度も厳しく叱り、一緒に汗を流したあの子たちが。卒業証書を受け取るその姿は、見違えるほど凛々しく、かっこよく成長しています。

その立派な背中を見送る時、涙腺は崩壊します。「あの時、文句を言いながらもグラウンドに立って本当によかった」と、心の底から思えるのです。

先生たちは、決してお金のために休日の部活をやっているわけではありません。「子どもたちの笑顔」と「成長した姿」という、目に見えない無形の報酬をエネルギーにして、身を削りながら頑張っているんです。

もちろん、今のままのシステムが良いとは全く思いません。教員の善意と自己犠牲に頼り切ったこの環境は、絶対に変わっていくべきです。

でも、今週末もグラウンドや体育館で、子どもたちのために声を枯らしている先生たちがいることを、少しでも多くの方に知っていただけたら。そして、もし街でジャージ姿の先生を見かけたら、心の中でそっと「お疲れ様です」と声をかけていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!